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2012'04.14.Sat

花見

今まで触れませんでしたが、私は童貞です。
花見をしたいなとは思うけれど、誘う女の子がいない。男ばっかり。楽しいことは楽しいですが、空しい楽しさ。
向こうのほうで女の子と桜のダブル桜で楽しんでいる男子を見ると、やけくそを起こしたくなります。
臆病なので起こせませんが。

先日、私の車に乗って数人でスーパー銭湯に行って来たのですが、その時やたらエグくてグロい話を聞きました。
血まみれだとかそういう即物的なグロさではなく、「うわあ心にクる」「もうやめろ」「樹海に行こうかな」となるようなグロさ、エグさの話。
ここまで言うと気になるでしょうから、明日か明後日か、小説にしてここに載せます。
「女性を好きになったことがある人」なら、おそらく嘔吐すると思います。エグくて。
ちなみに私は嘔吐はしませんでしたがなんともいえない、後味の悪い気分をしました。

小説の予告みたいになって申し訳ないのですが、なにぶんつまらない毎日を送っているもので、書くことがないのです。
そうでなくても私のような魅力のない男の日記など、誰も見たくはないのですよ。

二種のプライド

一.

尚の部屋は、常に散らかっていた。
尚はベッドに腰掛けたまま、もう二時間近くもキャンヴァスをにらみ続けている。筆が動く気配はない。
部屋の空気はむっと湿り、尚の額には汗が噴き出ていた。尚は手の甲でそれをぬぐい去ると、大きなため息をついた。そしてようやくキャンヴァスから顔を離し、立ちあがって部屋の窓を開け、うつろな表情で虫の鳴く声に耳を澄ませた。
また、満足がいかなかったな。尚は小さな声でそうつぶやいた。虫の音色は途切れることなく、リズムよく耳に入ってくる。
尚が絵に興味を持ちだしたのは、小学校を卒業する頃だった。両親と一緒に見に行ったジブリ映画に感動し、そこから徐々にのめりこんでいった。
尚の『絵描き』としての活動が本格的になりはじめたのは、高校一年の夏からだった。美術部に入部し、学業をそっちのけにして絵を描くような生活が始まった。年に二度あるコンクールでは何度か入賞も果たし、尚の才能はさらに開花していった。
しかし、それに反して、尚はいつも自分の作品に満足を感じたことがなかった。ようやく描き終わり、キャンヴァスから目を離して眺めてみると、どうにも納得がいかない。中身のしっかり整った本物を求め続ける尚にとって、妥協は許されないことだった。そのプライドと意地が、他人の評価と自分の評価に違いを生んでいた。
そんな生活を何年も続けるうち、尚は次第に無気力を感じるようになった。同時に、周りに対して高慢な態度をとるようにもなった。あの人は分かっていない。自分が正しいんだ、と常に考えるようになった。
ぬるい夜風を横顔に受けながら、尚はまたひとつ大きなため息をついた。ベッドには、いくつかめの失敗作が横たわっている。
塗りつぶしてやろうか、と尚は思い、黒い絵の具を取り出して、癇癪を起したようにキャンヴァスに塗りたくった。
 そして、後片付けもせずベッドに潜り込み、息をひそめて眠った。

二.

尚は塗装工として働いていた。女の塗装工というのは珍しいが、尚はこの仕事が気にいっていた。仕事でもプライベートでも色に触れられることに、尚は幸福を感じていた。
先輩や親方は皆男だが、女々しさのない粗野な彼らに、尚は好感を抱いていた。また会社の皆も、尚の真面目で懸命な姿を高く評価していた。
しかし、いつ頃からか尚は仕事にも無気力を感じるようになっていた。色を扱うことで、自然と絵の事が頭に浮かぶからだった。
その日、尚は先輩の原さんに連れられて、住宅の塗装工事に来ていた。原さんは四十を超えていて、いつも物憂い表情をしている人だった。尚はこの原さんの素性が、いまいち分からないでいた。
尚はさっさと仕事着に着替え、刷毛とペンキを持って足場に上がった。原さんは色見本帳をにらみながら、難しい顔をして低くうなっていた。
足場の中段まで来た尚は、刷毛にペンキを含ませて配管ボックスを塗った。汚れて光を失った金属が、尚の手によってみるみるうちに再生されていった。
すべての配管ボックスを塗り終え、余ったペンキを一斗缶に戻していると、向こうのほうで原さんが声をあげているのに気付いた。尚は刷毛とペンキをその場に置き、原さんの方へ足を運んだ。
「ここ、分かるな?じみてるだろ」
 原さんはそう言って、尚の塗った配管ボックスを指差した。
 白いペンキが、塗装面ではない卵色の外壁にはみ出し、見栄えが悪くなっていた。
「少しなら分かるけどな、このはみ出し方はまるで素人だよ。お前、そんなやる気のない顔をして、どうしちまったんだ」
 原さんはそういって、シンナーを含ませた布で丁寧にそれを拭きとった。尚はただ「すいません」と力なく言い、うなだれた。
 それからしばらくして、原さんは「飯だ」と素っ気なく言い、腰袋を外した。尚は区切りをつけてからヘルメットを脱ぎ、地面に転がした。
車の中に入り、昼食を摂る。二人とも無言で、ものを噛む音だけが聞こえていた。フロントガラスからは強い日差しが差し込み、車内を熱く乾燥させていた。
「職人ってものが、まだわかってないな」
 原さんは突然そう言って、箸を置いた。尚は驚いて原さんの顔を見たが、彼はじっと前だけを見据えていて、これといった表情はなかった。
「お前が何に悩んでるのか知らんけどな」
 原さんはそう口を開いて、一度切った。そして自分の言葉を確かめるような表情をして、言った。
「何にしたって、どこで完成なのか、どれが本当なのかなんて、分かるわけがない。だから職人は馬鹿みたいに手を抜かず、ひとつひとつの工程を大切にし、無駄なひと手間をかける。そして自分の仕事を信じるんだ。俺たちは決まった賃金の中でしか働けない。だからといって手を抜いたらいけないんだ。常に意地とプライドを持ってベストを尽くす努力をするんだよ」
 原さんは一気に言い切って、表情をひとつも変えずにまた箸を動かし始めた。
 尚は、弁当に視線を落したまま聞いていた。他人に見下され、自由も与えられず、それでもそれに耐えて逞しく生きる本当の職人の姿に、尚は感動した。そして、自分の作品にいつまでも満足しない自分が、ひどく高慢で甘えを持っているように思えた。自分に無理を課し、実現できないことを嘆いている自分を、ひどく滑稽に感じた。

その夜、尚は新しい作品を手掛けることにした。不安や迷いはあったが、体に少しずつ活力が戻り、より現実的に生きる目を手に入れたような気がした。
外は夏の熱気を帯びて蒸し暑く、風は無かった。ただ虫の音色だけが聞こえ、時間は驚くほど速く、自然に進んで行った。



              了.


今回も構想を元に、どういうものが書きたかった記しておきます。

尚は、中身のしっかりした本物に近づきたいというプライドと意地がある。
それがために自分に無理を課し、それを作品に反映し、そして実力不足と気付かぬまま満足できずに終わる。
職人たちも、本物に近づきたいというプライドと意地がある。
しかし、彼らは決められた賃金やルールの中でしか働けない。限界がある。それでも妥協してはいけない。
だから、自分の仕事を信じきる。他人に何と言われようが、それに耐え、自分の仕事を信じきる。
自分の作品を信じることを知らなかった尚は、自分の高慢さと甘さと滑稽さを知り、一歩前進する。

皆さんにも、意地やプライドというのはあるでしょう。
私にもあります。
例をあげるとするなら、

私「先人のまねごとなどくだらぬ(by坂本竜馬)」
友「は?それで失敗してちゃ元もこもないだろ?」

こういうことです。ちょっとたとえが悪いかもしれませんが。
友達は皆、合理性を考えて動きます。どういう方法を取ればもっとも成功するか。計算で求めます。
頭の悪い私は、そういった計算を一切せず、自分の信じる道を進みます。間違っているなんて分からないのだから、自分のゆく道をただ信じます。
そして、その生き方が決して間違っていないんだと、意地を張ります。

馬鹿だと言われればその通りです。でも譲れないんですよ。私に言わせればそういった『計算』なんてクソくらえ。人生を不味くするもののひとつだと思ってます。

・・・・・・そして、どちらが正解かなんて、全く分かりゃしないのです。
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